作品紹介:バイオリンのある静物〜バッハへのオマージュ

原画制作年:1952年
額サイズ:78×88cm


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バッハへのオマージュとして描かれたこの作品には、デュフィ芸術の重要な様式と精神が見事に調和して表現されている。個々のモチーフである「ヴァイオリン、楽譜、ピアノ、壁紙」の本来の色彩とは無関係に彩色された色階は、むしろ室内に共鳴する音色を表現しており、右側の壁にかけられているアルムの花と壺を描いた絵画も、そのまま窓辺の花束のようにも見える錯覚を与えることで、空間の奥行きを造りだしている。
これらの見事な不整合性により、画面全体が響き合うコンサートホールのようなイリュージョンを与えている。翌年、悪化したリューマチが原因で他界したデュフィの両手指の不自由さを考えるならば、この作品の軽快な仕上がりはまさにミューズからの霊感であるといえよう。


 
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